「感謝」の持つ力
「感謝」の感情が持たらす、ものすごい力を実感として感じたことはありますか?
感謝の気持ちがとても大切なことは皆さんご存じだと思いますが、実はこの感謝はパニック障害や病気を治す上でもとても大切な感情になってきます。
おそらく、パニック障害やうつになったばかりか、もしくは長く苦しめられている最中は病気に対しての「怒り」やなってしまった自分を認めない「否認」の感情に支配されたりするんではないでしょうか?
自分はそうでした。
パニック障害になったばかりの頃は発作が起きる度に絶望を感じたり、病気を憎んだり、心の奥底では否定したりといった「なにものも受け入れない」という感じの感情で渦巻いていました。
しかし、長く病気の症状と付き合ってくると、考え方が徐々に変わってくるようになってきました。
それは支えてくれる家族や友人、お医者さんから受け取った優しさや愛情が変化を持たさせてくれました。
生活していて様々な場面で「感謝の気持ち」が強くなったんです。
病気になる前は気づかなかった妻の支えや、子供達の思いやり、共感してくれる友人、話せば心配してくれる仕事上関わる沢山の優しい人たち。
そのすべてが僕の病気の治癒の力になってくれました。
「感謝の気持ちは病気を治す」
パニック障害やうつで苦しんでいると否定したくもなりますよね。
そんな余裕はないと、感謝で治るならもう治っているはずだと。
当然ですよね。
本当にそれぐらい苦しいのですから。
でも感謝の気持ちを持つことで身体によい変化が現れることは脳科学的にも証明されています。
感謝をすると「エンドルフィン」という脳内物質と「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、感情の幸福度を高め、免疫を向上し、がんと闘うNK細胞を活性化してくれる凄い物質。 これは感謝しても感謝されても多く分泌されるそうです。
オキシトシンは幸せホルモンとも呼ばれ、人への信頼感、親近感が増す。ストレスが消えて幸福感が高まる。血圧の上昇を抑える。不安を抑えて安心を得られるといった効果があります。
これらの物質が「感謝」をするだけで得られる事ってすごい事だと僕は思います。
一度僕は大切な場面でパニック発作に襲われてものすごく動揺したことがあります。
「こんな場面で出るなんて、どうしよう、どうなるんだろう、怖い」
といった考えが巡らなくなって絶望した時がありました。
しかもパニック発作は一度出た状況を記憶して何度も同じ場面で発作が出る傾向があるのですが、僕にとってそれは致命傷になるような場面でした。
そんな中苦しんでうずくまったときに、ふと思いました。
「自分の為に発作を起こしたくれてありがとう」
「自分の為に病気になってくれてありがとう」
自分の不安と恐怖に支配された脳内、爆発しそうな心臓、破裂しそうに波打つ脈管、力の入らない下半身すべての細胞に感謝を本気で感じられた時。
発作が一瞬で収まってその場面を乗り切れました。
パニック発作で何も考えられないぐらいの恐怖と不安と動揺の渦中で「感謝」を思い起こせた自分を褒めましたが、人が本当にすべてを受け入れて心から感謝を思った時の力って計り知れないなと思いました。
以来同じ場面でパニック発作が出現したことはありません。
今思えばあの時、僕の脳内ではエンドルフィンそしてオキシトシンの分泌が大量に行われていたんだろうと思います。
日常の些細なことや今まで何気なくあった風景に対して感謝を感じられるようになったのは、僕がパニック障害になったからだと思っています。
今は「病気のおかげで今の自分がいる」とパニック障害に感謝している自分がいます。
すぐに感謝を感じられなくてもいいんです。
信じられないという思いでもいいんです。
頭の片隅にでもいいですし、たまに思い返すだけでもいいと思います。
自分の中に芽生える「感謝」の気持ちの力を信じてあげてみてくださいね。
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